高校野球とワークマン【書評】ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか(酒井大輔著・日経BP)

ワークマンの本を読んでおいてなんだか、自分が野球をしていた高校時代の話をしたい。 

ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか

 野球道具というのは、値段が高い上に揃えなければいけないものが多い。

 グローブにスパイク、バット、ユニフォームを揃えないと試合に出ることができないし、それ以外にもバッティング手袋やアンダーシャツのような小物も必要になってくる。しかもそれら道具は練習でも試合中でも壊れて買い替えが必要になってくる。平均して高校球児一人当たり、数十万円を道具にかけていると言っても過言ではない。

 そう考えると野球というのは金のかかるスポーツだと痛感する。

 自分の高校では冬期間というのはとにかくバットを振るのでバッティング手袋が冬の間に破けることが珍しくない。そんな中チームの中で流行ったのが、ワークマンの作業用手袋だ。値段は約1000円程度で使い心地も他のスポーツメーカーのものと遜色ない。通常バッティング手袋は最低2000円平均しても5000円ほどであったと記憶しているが、半分以下の値段であるワークマンの作業用手袋なら耐久性もあり、最悪破けてもお財布へのダメージは少ない。

 また、朝早くから夕方遅くまで練習している野球部では、洗濯も問題になってくる。やはり練習着は何着か持っていないと厳しいし、寒さの厳しい冬の練習ともなるとアンダーシャツを重ねて着ることも珍しくなかった。そうなるとやはりアンダーシャツを何枚か持たなければいいけない。

 アンダーシャツもバッティング手袋と同じくらいの値段帯であったと記憶しているが、そこで登場したのがまたしてもワークマンの作業用アンダーシャツである。

 これまた1000円程度で購入可能でこの商品を練習着として用いている者が数名いた。

 その時はなんとなくこの現象を流していたが、今回紹介するこの本を読んだ時、なんだかあの時、野球部の中で起きていたことが本の内容と部分的に一致しているような気がして、変な興奮をしたというのが感想である。

 本書によると、ワークマンでは売値を先に考え、その中で実現できる機能性を実装していく。だから、安くても性能の高い商品を作ることができるし、オーバースペックにならず、顧客のニーズにあった商品を提供することができるという。

 その中で、アウトドア好きのブロガーやユーチューバーといったいわゆるインフルエンサーによる”クチコミ”でワークマンが広がっていったという。

 そのまんま自分の高校時代に野球部で起こっていったことではないだろうか。

 それ以外にも職人だけでなく一般客層にも受けるブランディング戦略やデータ戦略を通して、ワークマンが流行した要因が詳細に書かれていた内容だった。

 書評と言いながら、自分の思い出話が先行してしまい申し訳ないが、是非読んでいただきたい一冊である。

 

ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか